My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
「雄哉くん、ごめんね!あたし、寝ちゃってて…。」
ドアを開くと同時に、そう言った。
「寝てたんだ?」
ちょっと笑った雄哉くん。
今日はグラサンの代わりに、黒縁のダテ眼鏡をかけてる。
はっ…いま、胸辺りに、なんか矢が…キュンって刺さった気が…。
「あ、じゃぁ入って?」
「おじゃまします。」
「笑佳ー。」
リビングからお母さんの声。
「ごめん、雄哉くん。先、あたしの部屋行ってて?」
雄哉くんにそう言ってから、あたしはリビングに顔を出した。
「何ー?」
「これ、部屋に持っていったら?」
お母さんは、あたしにジュースとお皿に入れたクッキーを乗せたおぼんを渡した。