My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
案の定、今の雄哉くんに笑顔はなかった。
「…言ったじゃん。アイドルとか芸能人とか、関係なく接してほしいって。」
「……ごめん。」
あたしは俯いた。
「でも…この前の、純平の友達の女の子達に言ってくれたとき、すげぇ嬉しかった。」
この前の…
きっと、茜さん達に『アイドルとかじゃなくて、雄哉くんは1人の人間だよ!』って言っちゃったときのことだ。
「笑佳ちゃん、ありがと。」
雄哉くんは、あたしを見て微笑む。
一瞬ドキッときて、咄嗟に雄哉くんから視線を逸らしてしまった。