My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~
「うん」
「え、ごめん!起こしちゃったよね?」
「うん、いーよ」
眠いからなのか、いつもより雄哉くんの反応が薄い。
隣には、また電話越しの声を聞き取ろうとする美奈ちゃんの姿。
「なに?」
そーだ。本題を忘れてた。
「えっと、雄哉くんの誕生日の日って…何か予定ある?」
「え?あー…うん。ある」
「だよね…。」
特別な日だもん、普通はあるよね。
「仕事だけど」
「仕事?」
「うん」
そっか。
雄哉くんにとって特別な日でも、普通はただの平日なんだ。
誕生日だからって、休みをとれるわけでもない。
「少しでいいんだけど、会えないかな?」