2度目の夏祭り!
8月 出会い
私の通う高校には
『王子さま』と呼ばれる男の子がいる。もちろん本当の名前じゃない。
だけどみんなは彼のことを『王子さま』と呼んでいる。
カッコイイだけの男の子なら世の中にはたくさんいる王子さまの顔はカッコイイをはるかに超え、高貴でキラキラと輝いてる。
顔だけではない。
体が光に包まれている。
光っているので、おおぜいの生徒にまぎれていても、王子さまのいる場所はすぐにわかる。
王子さまの声は歌うかのように響きわたる。
太陽のように強く。
風のようにやさしく。
たとえ小さな声で話していても、雑音を通りこして、遠くまで聞こえる。王子さまの声を聞くだけで、人々は笑顔になる。
王子さまをはじめて見た者は魔法にかかったように動けなくなる。
絵本の世界に迷い込んだかのように、自分がどこにいるのか分からなくなってしまう。
そして、だれもがみな
「彼は普通の人間じゃない。王子さまだ。王子さまに違いない」と、そんな錯覚をおこす。
たちまち
女の子は恋におちる。
毎朝、王子さまは
自転車で登校する
『白馬号』と呼ばれる
買いもの自転車は
古くてオンボロ…
ペダルをふむたび
すごく大きな音がする
ギイ…ギイ…ギイ…と
ギイ…ギイ…という音が聞こえると、女の子たちはふり向く。
学校の窓がいっせいに開き、みんなが注目する。
そして歓声がドッとわきあがる。
「王子さまが来た!」
と……
女の子たちの反応はさまざまだ。
手をふって
キャーキャーと叫ぶ。
夢中で
写真を撮りまくる。
うっとりと眺めたり。
あるいは泣き出したり。
めまいをおこして
座りこむ女の子もいる。
そんな光景を見るたび、いつも疑問に思うのだ。
「なぜ私が王子さまの恋人になってしまったのか?」と…
私たちの『秘密の交際』が始まってから、もうじき1年になる……
『王子さま』と呼ばれる男の子がいる。もちろん本当の名前じゃない。
だけどみんなは彼のことを『王子さま』と呼んでいる。
カッコイイだけの男の子なら世の中にはたくさんいる王子さまの顔はカッコイイをはるかに超え、高貴でキラキラと輝いてる。
顔だけではない。
体が光に包まれている。
光っているので、おおぜいの生徒にまぎれていても、王子さまのいる場所はすぐにわかる。
王子さまの声は歌うかのように響きわたる。
太陽のように強く。
風のようにやさしく。
たとえ小さな声で話していても、雑音を通りこして、遠くまで聞こえる。王子さまの声を聞くだけで、人々は笑顔になる。
王子さまをはじめて見た者は魔法にかかったように動けなくなる。
絵本の世界に迷い込んだかのように、自分がどこにいるのか分からなくなってしまう。
そして、だれもがみな
「彼は普通の人間じゃない。王子さまだ。王子さまに違いない」と、そんな錯覚をおこす。
たちまち
女の子は恋におちる。
毎朝、王子さまは
自転車で登校する
『白馬号』と呼ばれる
買いもの自転車は
古くてオンボロ…
ペダルをふむたび
すごく大きな音がする
ギイ…ギイ…ギイ…と
ギイ…ギイ…という音が聞こえると、女の子たちはふり向く。
学校の窓がいっせいに開き、みんなが注目する。
そして歓声がドッとわきあがる。
「王子さまが来た!」
と……
女の子たちの反応はさまざまだ。
手をふって
キャーキャーと叫ぶ。
夢中で
写真を撮りまくる。
うっとりと眺めたり。
あるいは泣き出したり。
めまいをおこして
座りこむ女の子もいる。
そんな光景を見るたび、いつも疑問に思うのだ。
「なぜ私が王子さまの恋人になってしまったのか?」と…
私たちの『秘密の交際』が始まってから、もうじき1年になる……