2度目の夏祭り!
「えっと…
 …君の名前は?」

「え? 名前…?
 …私の名前は…」

あわてて名前をつげる。

王子さまは私の存在に気づいていたけど、私の名前は知らなかった。

うれしかったり
悲しかったり…

「僕の名前は…」

「知ってる!」と私は言葉をさえぎる。もちろん知ってる。うちの高校に、あなたの名前を知らない女の子はいない。

「ゆかた、似合うね」と王子さまに言われる…

恥ずかしい…
恥ずかしすぎる…

お世辞だとわかっていても汗が流れる。あんまり汗が出てくるので「今夜はすごく暑いね…」と言った。

「とっても似合ってる。ステキだよ!」

ステキというセリフに反応してまたまた汗が。ノドが乾く。息が苦しい。

そんな目で私を見つめないでください王子さま!

< 5 / 15 >

この作品をシェア

pagetop