ボーダーライン

「迫戸くん、彼女できたんだって? 店長から聞いたよ」

 無邪気な笑顔が俺を傷つける。

 店長め、余計なことを言いやがって。

「できてないよ。高校の友達と一緒にいたのを、誤解されただけ」

「なんだ。そうなんだ」

 残念そうな顔をする彼女を見て傷が深くなる。

 俺には望みがないのだと身に沁みた。

 こんな意味のない恋、いつまでやってればいいのだろうか。

 六時から働いて、バイトを上がったのは午前0時。

 たぶん真紀はまだ仕事だろう。

 俺はチャリに乗ってコンビニに立ち寄った。

 俺と真紀の飲み物、そして軽く食糧を買う。

 家に帰って、シャワーを浴びて。

 テレビを見ている間に眠ってしまっていた。

 ガチャ パタン

 トットットット……

 バサッ

 物音がして目を覚ます。

 真紀だ。


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