ボーダーライン
「起こしちゃった? ごめんね」
ぐりんぐりんに巻かれた髪。
派手な化粧。
頭の大きさと迫力に一瞬たじろいだが、仕事上がりの真紀だ。
少し酒臭い。
そりゃそうだ。
飲むのも仕事である。
「今帰ったの?」
「うん」
窓を見るとやや明るい。
何時だ?
時計を見ると、朝の五時過ぎだった。
「朝じゃん」
「うん。始発で帰ってきた」
付けまつげとかアクセサリーとかを外しながら、もう帰ろうかって時にホストの集団が来てさ~、と仕事の話を始める。
とりあえず平日なのに忙しかったらしい。
真紀がシャワーに入っている間に俺は再び眠りについた。
バスタオル一枚で出てきたか、それともちゃんと服を着て出てきたかはわからなかった。