ボーダーライン

 数時間後に俺が目を覚ますと、真紀は例によって目と口を半開きにして寝息を立てていた。

 更に今日は腹まで出ている。

 俺はエアコンをつけてタオルケットを腹にかけてやった。

 我ながら思いやりのある奴だ。

 なんて思いながら彼女を跨ぎ、トイレへ向かう。

 そこで五分ほど踏ん張って部屋に戻ると、茣蓙に真紀の姿がない。

「あれ?」

 視線をずらすとベッドへと移動していた。

 壁に向かい、こちらに背を向けて寝息を立てている。

 俺は仕方なく茣蓙に寝転び、極力音量を小さくしてテレビを見た。

 あまりのだらだら感に俺も再びうとうととし始めた頃。

 ピーンポーン

 呼び鈴に起こされ、立ち上がってインターホンの受話器を上げた。

「はい」

「○○急便でーす」


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