ボーダーライン
「先にお飲み物のご注文ありますか?」
店員が機械を持って問いかける。
「俺、生。吉田さんは?」
「えっと、カシスソーダ」
チョイスが女の子。
生ビールを一気飲みした後、焼酎をロックで飲み続ける真紀とはやはり正反対だ。
「かしこまりました」
店員が去り、席は二人だけの空間になった。
なんか緊張する。
目の前に好きな女の子。
メニューを広げているポーズとか、俺に一々これ、どう? なんて聞いてくるとことか。
本来、女の子ってこういうものだよな。
真紀はあぐらをかきながらタバコに火をつけ、あたしこれ食べたい! と、無遠慮に注文をする。
本当に、正反対。
「どうしたの? 何かついてる?」
俺の視線を感じてか、可愛い顔をして聞いてくる。
「いや、俺の女友達とは正反対だなって思ってさ」