キミのとなり。
「どうした?」


いきなり近くでした声にはっとして顔を上げると、修ちゃんがカップをテーブルに置いたところだった。

途端にコーヒーのいい香りが広がる。



「……ううん」


置かれたカップを両手で包むように持って、曖昧な笑みを向けた。


いくら修ちゃん相手でも、恥ずかし過ぎる……。


それに私……欲求不満みたいじゃん。




「ちづ」


──だけど、やっぱり修ちゃんに隠し事は出来ないみたい。


ちょっとでも様子がヘンだと、すぐにバレちゃうんだよね。



「……トモ……だち……友達!」


「……トモダチ?」

「そう! 友達がね! ……彼氏と、うまくいってないって悩んでて……」


……バレバレだよね、きっと。


「トモダチ、ねぇ?」

“例の顔”をしてる気がするけど……。


「そう、友達!」

気のせいってことにしておこう、うん。

だって、やっぱり言えないもん……。


「……うまくいってないって、どんな風に?」

「彼と……その……まだ、みたいでね? 自分に魅力がないのかなぁ……って。私的にはそんなことないと思うんだけどね?」


思いつくまま一気にしゃべった。
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