キミのとなり。
「……え?」


「大切にし過ぎて、手が出せないんじゃないかな? 男って、そういうとこあるし」


大切にし過ぎて……、か。


確かにトモは、私の気持ちを大切にしたいって言ってくれた。


だから私の気持ちの準備が出来るまで待ってるって。


だけど……。


いつまでもその気持ちに甘えてていいのかな、って思いも最近はあって……。


それに、気持ちの準備が出来たこと、どうやって伝えればいいんだろう。


それって……やっぱり、自分から誘うってこと……?



「あんまり考え過ぎない方がいいよ?」

修ちゃんはそう言って、私の頭をぽんぽんと撫でた。


「修ちゃん?」


「タイミングが合えば、自然とそうなると思うしね。お互いの気持ちが同じ方向を向いてるなら、焦らなくても大丈夫だよ。……って、友達にそれとなく伝えて」


そう言うと、ぬるくなったカップを私の手から取り上げて、キッチンへ向かった。



──タイミングが合えば。

──お互いが同じ方向を向いてれば、か……。




「ねぇ、修ちゃん?」

「んー?」

「……友達に、そうアドバイスしてみるね。ありがとう」


そう言うと、修ちゃんは優しい笑顔を返してくれた──……。


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