キミのとなり。
「いきなり入ってくんなよ……」

「ちゃんとノックしたし」


突然の訪問者の正体を確認して、動揺を隠すようにまた寝転んだ。


まぁ、コイツだからそれも許されるってもんだけど。




「で、何が情けねぇの?」


……やっぱ聞かれてるし。



修平は勉強机から椅子を引き出すと、足を組んで座った。


……コイツ、いちいちカッコいいんだよな。


長年つるんでる、しかも、男の俺から見てもそう思うことがある。





千鶴は……どうして修平じゃなくて俺を選んだんだろう。


同じ時に出会ったんだから、条件は同じだったはずだ。


寝転んだまま、視線だけを修平に向けてみる……けど。


……多分、一生出ない答えなんだろうな。




「……で、何が情けねぇの?」

修平は俺を見下ろして、同じ質問を繰り返した。


「……何でもねーよ」



千鶴とヤれなくて悩んでる、なんて誰が言えるか。
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