キミのとなり。
修平のキモチ
最近あいつらの様子がヘンだ……と思う。
……つーか、お互いが考え過ぎて空回りしてるだけなんだよな、多分。
千鶴は千鶴で、智明が自分に手を出してこないことに悩んでるみたいだし?
智明は智明で、千鶴を大事にし過ぎてるんだと思う。
千鶴の”トモダチ”の話しと、この間の夜の智明の反応と“情けねぇ”発言を組み合わせて辿り着いた答え。
──あいつらはまだ、だ。
ま、薄々そうじゃないかとは思ってたけど。
智明は多分、俺の千鶴への気持ちに対してもモヤモヤしてるんだよな。
それと手を出せないのとは別の所にあるんだと思うけど。
だから敢えて、挑発的な事を言ってみたんだ。
千鶴の気持ちは出来てるみたいだし、これで智明がヤキモチでも焼いて暴走すればうまく収まると思うんだけど……。
「……なーにやってんだか……」
ベランダで、珍しくきれいに見える星空を眺めながら、小さくため息をついた。
俺だって、2人にはうまくいって欲しいと思ってるんだからな──……。