キミのとなり。

「今日、家においで。智明からDVD預かってるから」


満員電車の中、私を真ん中にして、3人並んで立っていた。

私の頭はちょうど2人の胸元くらい。



「うん、わかった。ついでに勉強も教えて?」

「いいよ」


修ちゃんはいつも優しくてしっかりしてて、お兄ちゃんみたい。


それに引き換えトモは……。


隣でつり革につかまりながら半分寝ている。


私たちと修ちゃんは、学校は違うけど途中の駅までは一緒だ。



「あっ!」


急に電車が大きく揺れたせいでバランスを崩しそうになった。


「ちづ!」


修ちゃんが腕を強くつかんで、それから肩を抱いて支えてくれた。


咄嗟に出るのかな?


修ちゃんは子供の頃の呼び方で私を呼ぶ時がある。
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