キミのとなり。
いくら修平相手だって、千鶴がそんなことまで言うわけねぇし。


でも……、あいつのことだ。


昔から勘が鋭いから、千鶴のちょっとした言葉で何か感じ取ってんのかもしんねーな。



“気を許し過ぎてる”

それって、そういう意味なのか?


いくら幼なじみだからって、男にそんなことまで話せるか?



──って、考えんのやめよう。


いくら考えたって答えなんて出ねぇし。





どれくらいこうしてたんだろう。


俺もうとうとしてたみたいで、外はすっかり暗くなっていた。


弱めに電気を点けようと立ち上がった時。


「……ん」


千鶴が目を覚ましたみたいだ。


「……ト、モ?」


まだぼんやりした目をしながら、少しかすれた声で呼ばれた。



「気分、どう?」

俺は電気を点けてまた枕元に座った。


「……大丈夫……って、あれ?」

千鶴は額に貼られた冷却シートに気付いて手を当てた。
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