キミのとなり。
先生に呼ばれたという美咲をおいて、先に部室棟に向かった。
校舎と部室棟をつなぐ渡り廊下に差し掛かった時、部室棟の入り口に人影が見えた。
あ、トモだ。
「ト……」
部室棟に向かっていた足が渡り廊下の途中で止まった。
トモの背中越しに、女の子の姿が見えたからだ。
……誰?
チクン
……何?
胸が痛くなった気がした。
どうして?
これってまるで……。
「…………ゃん。……ちーちゃん?」
声を掛けられて、思わず肩がびくっとなった。
「……美咲」
気づかないくらい、私は2人の姿をぼーっと見ていたらしい。
「どうしたの? こんなとこで?」
「あ、や、別に……」
なんて言ったらいいか困っていたら、
「行こっ」
私を追い越して先に歩きだした。