キミのとなり。
さっきまでカップを握っていた手が行き場を無くしていた。


「そっか。女の子、千鶴の知ってる人?」

「バスケ部の……マネージャーしてる先輩」

「そっか」


修ちゃんはそれだけ言うと、ソファに両手を広げて寄りかかった。


「修ちゃん……」

「ん?」


自分でもどうしたらいいかわからないモヤモヤを、吐き出してしまいたくなった。


「……聞いてくれる?」

「いいよ」


修ちゃんの優しい声がする。


言葉にして吐き出したら、何かが変わるような気がした。


「私ね……」

「ん?」


どこまでも優しい修ちゃんの声に、なんだか泣きそうになる。


「私……」


このままじっとしてたら泣きそうだったから、立てていた膝を抱え、そこに顔を埋めた。


それから、今の気持ちを思ったまま口にした。
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