キミのとなり。
ため息をひとつ漏らしながら、リビングダイニングに繋がるドアを開けると、
「千鶴。智明、起きた?」
卵焼きをつまむ途中だったであろう手を止めて、爽やかに微笑む彼。
和泉修平。
うちの右隣に住む幼なじみ。
隣の県の優秀な学校に通う、自慢の幼なじみだ。
「やっとね……」
そう言って私も食卓についた。
「ごめんねぇ、面倒かけて」
私にお味噌汁を出してくれながら、そう言ったのは智明ママの美佳(みか)ちゃん。
パパの赴任先に一緒について行っちゃったママのおかげ(?)で、朝食は毎日椎名家でお世話になっている。
修ちゃんパパの慶(けい)くんも超多忙な人だから、食事面では美佳ちゃんに頼りっきり。