キミのとなり。
「修ちゃん修ちゃん! どれから行く?」
修ちゃんの言葉じゃないけど、遊園地なんてホント久しぶり。
なんだかムダにテンション上がっちゃう。
「前見て歩かないと転ぶよ」
笑いながら数歩後ろを歩いている修ちゃん。
「もう! 子供じゃないんだからっ!」
隣に来た修ちゃんの腕をパシン、と叩いた。
「ほら」
「え?」
差し出された手と修ちゃんを見比べる。
「はぐれたら困るから」
「……子供じゃないってば」
そう言いながらも差し出された手を素直に握った。
……修ちゃんのこと好きだけど、手を繋いでもやっぱりドキドキはしない。
顔を見上げながらそんなことを思っていたら、思ってる以上にじっと見つめていたらしい。
「どうした?」
「なんでもないよ。……で、どれ?」
「んー、あれ?」
修ちゃんが指さしたのは一番人気のジェットコースター。
「OK! せっかく来たんだから楽しもう!」
せっかく修ちゃんが気分転換に連れ出してくれたんだから(多分)、楽しまなくちゃ損だ。
「何? 急にエンジンかかってきたじゃん」
修ちゃんはそう言って笑った。
──どうして修ちゃんを好きにならないんだろう。