キミのとなり。
「しゅう……ちょっとまっ……」


いきなり投げかけられた予想もしなかった言葉に、混乱してうまく反応できない。


「俺にしとけば?」


修ちゃんは同じ言葉を繰り返した。


だって……でも……待って……。


ふいに、膝に乗せていた手に修ちゃんの手がそっと重ねられた。


そんな反応するつもりなかったのに、思わず肩が上がってしまう。


そのまま手を引かれ──気がついた時には、修ちゃんの腕の中。



「まっ……待って……!」

「待たない」


耳元で聞こえる修ちゃんの声。


「もう待たない」


背中に回された手は、しっかりと私を抱きしめていた。


──もう……?


ふと背中に回された手が緩んだ。


「……っ!」


耳に柔らかな感触。
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