キミのとなり。
それから首筋に。


今度はチュッと音を立てて。


「しゅ……! ちょっ、まっ……!」


どうしたらいいかわからなくて、修ちゃんのシャツをぎゅっと握った時、

「お帰りなさーい!」

テンションの高い声と共に、ゴンドラのドアが開いた。


「残念」


そう言って修ちゃんは頬に軽くキスをした。


さっきとは違う係員さんは気まずい顔。


「修ちゃん!?」


私は……真っ赤。


何事もなかったかのように、修ちゃんは私の手を引いてゴンドラを降りた。


「あ、ありがとうございましたー」


後ろから係員さんの声が聞こえたけど、もちろん私は振り返れなかった。


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