キミのとなり。

「千鶴」


名前を呼ばれて、気がつけば駅前まで戻ってきていた。


「あ……どうしよっか? ファミレスは昨日行ったし、夜にファーストフードはちょっとなぁ。駅の反対側行って……」


「ちづ」


今黙ったらダメだと思ったから、無理やりしゃべってたのに……。


「……っごめん」


しゃべるのを止めてしまったら、言葉の代わりにやっぱり涙がこぼれた。


私、こんなに弱かったかな?


繋いだ手が修ちゃんに引かれ、もう一方の手が頭の後ろに回って胸に引き寄せられた。


昨日から、泣いてばっかりだ。



「2日連続はキツかったよな」


優しい声が降ってくる。


「ごめっ……」


その優しい声に促されるように、涙が溢れて止まらない。


繋いだ手が、頭をなでていた手が、私をギュっと抱きしめていた。
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