キミのとなり。
「やっと起きたのね」


トモの姿を見て、食事の準備をするためキッチンに向かう美佳ちゃん。


私の向かいの席に座ったトモは、ちゃんと制服に着替え、髪の毛もキレイにセットされていた。


「おはよう、智明」

「おーっす」


彼は椎名智明。


──今、起こすのに一苦労したヤツ。


うちの左隣に住む幼なじみで、同じ学校に通っている。


修ちゃんが勉強のできる人なら、トモはスポーツのできる人。


学校でもバスケ部に所属していて……なんだかモテるらしい。


トモも自慢の幼なじみ、って言えなくもないけど……なんだかくやしい。


トモ相手だと、どうも素直になれないんだよなぁ、私……。



「アレ、今日返却しなきゃいけないんだよなー。店長にムリ言って借りてきたもんだしー」


目を細めながらイジワルな言い方のトモ。
< 5 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop