キミのとなり。
「っ……ごほっ」


何気なく言った美佳ちゃんの言葉に紅茶を吹き出しそうになった。



「ちーちゃんが智明の彼女だったらいいのに」

「み、美佳ちゃん!?」





「何言ってんだよ」


いきなり、背後から冷たい声がした。


「あら、おかえりなさい」

「ト……っ」


ソファから立ち上がって振り返ると、そこには無表情のトモが立っていた。


玄関の音とか、トモが帰って来たことに全然気がつかなかった。



「遅かったじゃない。どこ行ってたの?」

「別に……」


なんだか機嫌の悪そうなトモ。


チラっと私を見ると、

「千鶴は修平とつき合ってるみてーよ」

それだけ言ってリビングから出て行った。


それからすぐに部屋のドアが閉まった音がした。


ちょっ……何言うのよ!?
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