キミのとなり。
「え? そうなの?」

「あ……いや……」


修ちゃんとつき合ってるのかどうか、まだよくわかんないし……。


「か、帰るねっ」


返事に困った私は、とりあえずこの場から逃げ出すことにした。


ふと、リビングのドアに手を掛けたところで美佳ちゃんを振り返った。


「明日、朝ご飯いらないね。もしかしたら顔出せないかも」


椎名家に行かないための、とりあえずの嘘。


「どこか行くの?」

「ん、ちょっと……。ケーキ、ごちそうさま」


言葉を濁して逃げるように椎名家を後にした。



バタン


家に入ってドアを閉めたら、気持ちの糸が切れたみたい。


そのまま玄関に座り込んでしまった。


これからも、毎日顔合わせなきゃいけないのに。


どうしたらいいんだろう……。


明日中に、いつも通りできるようにしなくちゃ……。


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