キミのとなり。
修ちゃんが私の顔を見た。


「帰った後で……ね」


なぜか声が小さくなってしまう。


「ん? 昨日一緒だったの?」

「久しぶりに遊園地に」


トーストにバターを塗りながら修ちゃんが答えた。


「あら、そうだったの。デートだったんだ」


両手を胸の前で合わせそう言った美佳ちゃんは、なんだか楽しそうだ。


「あ、やっ……」


「隠すことないのに。照れてるの?」


クスクス笑う美佳ちゃん。


照れてるわけじゃ、ないんだけど……。


「智明ったら、それで居づらかったのかしらね?」


美佳ちゃんの頭の中ではすっかり、私と修ちゃんはつき合ってることになってるみたい。


「修ちゃん……」


困った顔で修ちゃんを見たけど、

「いいんじゃない?」

って、修ちゃんってば……。
< 59 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop