キミのとなり。
トモが早く学校へ来た理由が思いつかない。


やっぱり、避けられてる……?


「……ねぇ、美咲」

「ん? 何?」

「トモと先輩……北川先輩、だっけ? つき合ってる……んだよね?」


私、確認なんかしてどうするつもりなんだろう。


「まぁ、噂だけどね。……どうして?」

「おととい、見ちゃったんだよね。2人が一緒にご飯食べてるところ」

「えっ!? どこで!?」


口に出したら、ありありとあの時の光景が蘇ってきた。


「地元の、イタリアン」

「そっか。……ちーちゃん、ショック?」

「……うん」


素直に認めた。


美咲だって感づいていることだし、隠したってしょうがない。


「アイツ、モテるらしいしね。彼女の1人や2人……」

「ちーちゃん……」


なぜか、目の前の美咲が悲しい顔をしていた。


「美咲?」


どうして、美咲がそんな悲しい顔してるの?


「ちーちゃんのバカッ! もっと早く気づけばよかったのにっ!」


……なぜか怒られた。


でも、

「そうだね」

そう答えるしかない。


もっと早く気づいて、少しでも行動を起こしていれば、何かが変わってたかもしれない。


今さら後悔したって、もう遅いけど……。


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