キミのとなり。
「えっ!?」

「落ちた……か?」


急に暗くなったから、不安になってトモに向かって伸ばした手。


……だけど、ギリギリのところでぎゅっと手を握り締めた。


「……タオル貸して。後、できれば着替えも」


トモはそう言って、握り締めた手を掴んでリビングへ進んだ。


「えっ? あっ……」


私は引っ張られるまま、後をついていく。


「タオル」


リビングに入ると、トモはそのまま立っていた。


「あ、う、うん」


雷に怯えながらもバスルームからタオルを取って来て。


パパの部屋からトモが着られるようなものを取ってリビングに戻った。




「あっち向いてろ」

「え?」


私がリビングに戻って来ても、トモはずっと立ったままだった。


「着替えるから」

「あ、うん……」


私は言われるままトモに背を向けて、視界を遮るように目を閉じた。


もちろん、音も遮断するように耳も塞いで。


トモが来てから、違う意味でドキドキしてるような気がする。


なんで来たの?

こんなに濡れてまで?

さっきはあんなに冷たい顔してたじゃん……。
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