キミのとなり。
「え?」

『でも、智明のことも大事に思ってる』

「修ちゃん?」


『だから2人には、自分の気持ちに素直になって欲しいんだ』

「…………」


『もう隠す必要、ないだろ? ちゃんと自分の気持ち、伝えろよ』


修ちゃんの優しい声に涙が出そうになる。


『俺のことは気にしなくていいから』

「でも……」


修ちゃんにはいっぱい助けてもらった。


『俺たちの関係は、ずっと変わらないよ』

「修ちゃん……」


とうとう堪え切れなくなった涙が目尻からこぼれ落ちた。


「千鶴?」


いきなり泣き出した私を見て、トモが驚いて目を見開いている。


手の甲で涙を拭って、なんでもない、大丈夫、って意味を込めて首を横に振った。


『千鶴の思い、全部智明に伝えればいいよ。……じゃあ、な』


修ちゃんはそう言って電話を切った。




「修平、なんて?」


修ちゃんはああ言ったけど、何をどう話したらいいかわからない。


トモはそんな私をソファに座らせると、自分は私の前の床に直接座った。


向かい合って座る私たち。


でも私がトモを見下ろしている、ちょっと不思議な光景。





「俺、お前のこと、好きだ」

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