キミのとなり。
一瞬離れた時にやっと伝えた思いも、そのままトモに飲み込まれた。


深いキスを受けながら、息苦しさに涙を滲ませた時。


後頭部を抱えられ、ソファにそっと寝かされた。


沈み込むソファの端っこと、顔のすぐ横につかれたトモの腕。


目を開けると、私を真っ直ぐに見据えるトモの真剣な顔があった。


「あ……っと」


なんだか急に恥ずかしさが込み上げる。


……この後の展開がわからないわけじゃない。


「いや?」


困ったような表情をしていたのだろう。


トモも少しだけ困ったように眉を下げる。


「いや、じゃない、けど……。あっ、で、電気!」


私は慌てて、煌々と部屋を照らす天井を指さした。


トモはふっと笑うと、おでこにキスを1つ落とし、壁のスイッチに向かって歩き出した。


ちょっとだけ自由になった体。

眩しい視界。

思わず顔を手で覆う。

ヤバイ。


鏡を見なくてもわかるくらい、顔が熱を帯びている。


こんな顔、見られるだけでも恥ずかしい。



……ふと、指の隙間からこぼれていた光が消えた。
< 85 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop