キミのとなり。
「……はぁ」


離れた瞬間に息継ぎをするけど、またすぐに酸素を奪われる。


頬に触れていた手が、首筋に落ちてきた。


それを追いかけるようにして、トモの唇が耳元、首筋へと移動する。


初めて与えられる刺激に、思わず体が仰け反った。



「力、抜いて……」


首筋に唇を当てたまま囁かれる。


それすらも刺激になって、逆に力が入ってしまう。


後頭部にあった手が髪をそっと撫で、首筋を伝って胸元に降りてきた。


シャツのボタンをゆっくり外していく。


その瞬間、心とは反対に、体がビクッと震えた。


「……やっぱり、やめる?」

「ち、違うのっ」


体の反応を拒絶と受け取ったのだろう。


トモは手を止めて私を見つめた。


「怖いんじゃないの、緊張……してるだけ」


怖いんじゃない。


心の中で繰り返す。


「……いい?」


トモの囁きに、頷いて答える。


それを見てトモは、頬にキスを1つ落とすと、またシャツに手を掛けた──。

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