キミのとなり。
『それだけ? って……久しぶりなのにひどいわね』

「やっ、そうじゃないけど……」


振り返ってトモを見ると、脱ぎ捨てたTシャツに首を通していた。



やっぱり、そうだよね……。


「大丈夫。心配かけてごめんね」

『ならいいのよ。じゃ、またね』


ママはそう言うと電話を切った。



受話器を置いて、流れる沈黙。


「……ごめん」


なぜか謝ってしまう私。


「お前のせいじゃねーし」


トモはそう言って、諦めたように笑った。


「せ、制服! 乾かそうか」


ふいに、トモの濡れた制服が目に入った。


いくら隣だと言っても、Tシャツにスウェットで帰すわけにもいかない。


だいたい、そんな格好で帰して、美佳ちゃんになんて説明すればいいか……。


トモの返事を聞かず、私は脱衣所の乾燥機に制服を投げ入れた。



「千鶴、ここ座れ」


乾燥機のスイッチを入れてリビングに戻ると、トモは自分の横を叩いた。


大人しく隣に座ると、肩を抱かれ向き合うようにさせられる。
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