キミのとなり。
トモは小さく咳払いをしてから、口を開いた。


「順番違ったけど……、つき合おう、俺たち」


ちょっとだけ顔を赤くして、でも真っ直ぐに私を見つめる。


「……はい」


なぜか改まった返事をしてしまったことが恥ずかしくて、トモの胸におでこを預けた。


トクン、トクン、と伝わってくる心臓の音が心地よい。


どれくらいそうしてたのかな。


ふいに横から手が伸びて、うつむいた顔を上げられた。


「千鶴」


顎に手を添えられ、近づくトモの顔。


「……好き」


そう言って目を閉じた時──。



ピーピーピー


あとちょっと、ってところで音に驚いて目を開く。


目の前には同じようにして目を見開いてるトモの顔。



……乾燥が終わったみたい。


「……っぷ」

「ふっ……」


お互いに顔を見合わせて笑ってしまった。



私たちは、やっと始まったばかり──。


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