キミのとなり。
ドアを開けると、こちらに背を向けてまだ寝ているトモがいた。


「もう、朝だ……よっ!?」


布団を剥がそうと手を伸ばしたら、ガッチリとその手を掴まれた。


「えっ!?」


寝てたはずなのに、こっちを向いたトモは、目をパッチリ開けていた。


「おはよう」


トモはそう言って私の手を引くと、チュッと音を立てて触れるだけのキスをした。



「!?」


いきなりのことに頭がついていかない。


「なっ……いきなり何すんのよっ!」


顔が真っ赤になっているのが鏡を見なくてもわかる。


「いーじゃん、別に」


トモはそう言うと、口笛でも吹きそうな雰囲気で部屋から出て行った。


私は真っ赤な顔のまま残される。



「……バカッ!」


こんな顔で出て行けないじゃん。


仕方なく、今までトモが寝ていたベッドに座った。


それからそのままコロンと横に倒れる。


……トモの匂いに包まれて、安心してるような、ドキドキ感が増すような、不思議な感覚になった。





ドキドキをくれるトモと。

優しさをくれる修ちゃん。

私の隣にはいつも──……。





end
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