キミのとなり。
慣れたのかマヒしてしまったのか、もう痛むこともなく、強く肩をつかんでいた手を緩めた。



「大丈夫だって。私だってこれでもマネージャーだよ?」

「ダメっつってんだろ」

「……バカ」

「あ?」


……この体勢、実は結構恥ずかしいんだよね。


だって、ベッドに座ってるからトモよりちょっと高い位置にいるし、トモは私の足見てるし……。


もしかしたら、スカートの中が見えちゃうかもしれないし……。



「もういいぞ」

そんな声がして膝に目を向けてみれば、オーバーにも包帯が巻かれていた。


「包帯なんて……やり過ぎじゃない?」

「これしかなかったんだよ」


トモは、消毒液やらピンセットやら使った物を片付けながら答えた。




「……で、これからどーする?」

「…………へ?」


片付け終わって振り返ったトモは、何かを企んでいるような顔をしていた。




「鍵かかるし……ベッドあるし?」

「ト……トモ?」


悪い微笑みをしたトモを見て思わず後ずさるけど……背中に当たったのは冷たい壁。




これ以上は下がれない。
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