キミのとなり。
番外編:キスよりもっと
千鶴のキモチ
最近トモの様子がヘンだ……と思う。
つき合い始めてからキ……キスはたくさんするようになった。
修ちゃんと一緒の時もあるけど、2人きりで出掛けることも多くなった。
普通につき合ってる……んだと思うけど。
だけど……。
「ねぇ、修ちゃん?」
「んー?」
修ちゃんの家のリビングで勉強をしている……はずなんだけど、まだ一問も解けてない……。
私の呼び掛けに、修ちゃんはコーヒーを注いでいた手元から顔を上げた。
「……なんでもない」
誤魔化すように笑って、視線をそらした。
──トモとはキスまでしかしてない、なんて……。
こんなこと、修ちゃんに話すことじゃないし……。
あの雷の夜、「そう」なりそうな雰囲気になったきり、トモは私にキス以上のことはしてこない。
この前の保健室だってそう。
あんな誤解するようなことを言っておいて、散々キスだけしてトモは部活に行ってしまった。
深いキス……っていうか、そういうものナシ。