こんぺいとうとあたしとポスト
玄関を出ると夏の日差しが
ケロに降り注いだ。
蝉は朝から元気よく鳴いて
ケロに挨拶をしてくれる。
「おはよう」小さく返事をして
愛用の自転車に乗る。
去年買ったばかりの
オレンジ色のケロの自転車。
名前をつけている。
「ケロチャリ」
ケロはケロチャリが大好き
だった。
好きすぎだったが
嫌いになろうとはしなかった。
ケロチャリに乗ると
風がうまれる。
あんなに暑かった日差しも
心地好く感じる。
忙しい朝も楽しくなる。
ケロは思う。
ケロチャリは魔法使いだっ!
濡れた髪が乾くころに
ケロの仕事場が目にうつる。
ケロチャリとの旅はここまで