向日葵に恋した太陽
――ごめんごめーん。でも、権さんだってあたしに会いたかったでしょ?


空から、くたびれ果てた俺をからかうような明るい声が聞こえた気がした。


真っ白な歯を見せて向日葵みたいに笑うアイツのことを思い出す。


「お前との腐れ縁はずっと続くと思ってたからな。お前バカだし、俺がいないとあっちで何かやらかしてんじゃないかって気が気でねぇんだよ」


目には見えないが、きっと側にいて笑っているだろうアイツにそう語りかける。


俺は抱えていた向日葵を墓前に飾り、線香に火をつけてから静かに手を合わせた。
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