私の夫は王になれない俺様
「他の男のモノだった女性を奪いとって結婚するより…はるかに難しいことをさらりと言わないでください」

イサンが私の隣に立つと、にっこりとほほ笑んだ

その笑みには、なんか悪魔が棲んでいそうな…ちょっと背筋に寒気が走る笑みだった

「それって嫌味?
簡単じゃなくても、全くできないわけじゃないんでしょ?
くよくよして、じめじめした生活を送って、どんよりと城に籠っているより
断然、夢があっていいじゃない
目標があれば、5か月間も笑わずにむすっとした顔ではいられないはずよ」

ロバート様が、騎士の集団から抜け出して、私の部屋に入ってきた

さっきまでの、無表情で固い表情ではなく

勝気な目で、私をまっすぐに見つめている

私の向い側に腰を下ろすと、長くて細い足を組んだ

「全く持ってその通りだな」

ロバート様がにやりと口を緩めて、勝気な笑みを見せた

「俺としたことが、勿体ない5ヵ月間を過ごしてしまったな」

はい?

え?

なに、この変わり身よう…は

もともとこういう勝気な性格なの?

「改めて俺は、ロバート・ド・ブルース四世だ
キャリック領土を支配している伯爵だ」

「…知ってるけど」

「…だな
我が妻よ、今日から共に協力して王座を狙おう」

ロバート様が私に手を差し出した

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