私の夫は王になれない俺様
「どうだった?」

「何が?」

「初体験」

イサンが、含みのある言い方をしてくる

「一晩じゅう、ベッドの中にいた」

「そんなのわかってるよ!
だからその内容だよ」

面倒くせえ…寝かせろよ

朝の祈りの時間までに、まだ1時間はあるだろ?

「何をどう勘違いしているか…わからねえけど
イザベラとは一晩中、話をしていただけだ
んで、ついさっき話しながら眠ったから、俺が部屋を退出した」

「はあ?
一晩中、一緒にいて何もなかったと?」

「ねえよ」

「なんで?」

「話してたから」

「そうじゃないって
一緒にいてむらむらって来なかったのか?」

「聞くな」

「聞く」

「ノーコメントだ」

俺は荒々しくブーツを脱ぐと、布団の中に潜った

「寝かせろ」

そりゃ、一晩中一緒にベッドの中にいたら…

理性と本能のはざまで葛藤はする

だが…信頼関係を築き始めたばかりなのに、いきなり俺が崩すわけにいかないだろうがっ
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