私の夫は王になれない俺様
「ハイランドの娘と結婚するだけで
俺が反乱軍の指揮者にされたんじゃ、たまらないな
俺はマー伯ドナルドの娘イザベラを愛している
だから、結婚をした
俺は好きだから、結婚をする
それ以外に理由は存在しない」

「気の弱い男たちは、裏を知りたくなる
何か大きな陰謀があるんじゃないか、ってな
お前の師匠は、ベイリャルの心理を使用してロバートを殺すつもりなんだろ」

「何のために?」

アンドリューが首を回してから、俺に意味ありげな笑みを送ってくる

「わかっているくせに」とアンドリューの頬に書いてあった

「王位継承権を狙っているのか
俺が生きていたら、ベイリャルを殺しても、王位はブルース家に移動するだけだ
エドワードⅠ世が生きている限り、ブルース家に王位継承権こないと思うが
あいつも王位が欲しいのか
浅はかな考えは、己の首を絞めるだけだ」

俺は立ち上がって足を開くと、腕を組んで下唇を噛んだ

ジョン・カミンはベイリャルに偽情報を耳に入れているだけだろうか

ジョン・ベイリャルに俺を殺させるように仕向けつつ、カミンが王になる準備をしている可能性が高いだろう

イングランド王の操り人形だと、影口を叩かれているベイリャルだ

暗殺集団を作るのなんて容易いだろう

一声かければ、すぐに馬鹿な貴族たちが集まりそうだ

< 56 / 120 >

この作品をシェア

pagetop