私の夫は王になれない俺様
ロバート様は私の肩を抱きしめると、ポンポンと叩いた

「悪いな、俺は幼いイザベラを巻き込んだ
この生活、嫌になったらすぐに言えよ
どこにいても必ず対処するから、我慢しなくていいから」

ロバート様が私の耳元で小さい声で、囁いてくれる

低くて、優しい声だった

「大丈夫です」

私はにっこり笑った

「手紙も…注意してくれ
誰が盗み見ているかわからない
俺が遠出していて、文を出す場合は用件は書かなくていい
緊急性だけを教えてくれ
スコットランド内にいるなら、どんなに遠くにいても1日で帰ってこられるから
すぐに戻る」

「はい」

私の返事を聞いたロバート様は安心したように息を吐きだした

私の肩を抱きよせ、腕をそっと撫でてくれる

温かい手の平が、心地よくて気持ちが良かった

ロバート様は窮屈な場所で生活しているのね

頼れる人も、甘えられる人もいない中で

必死に生きている

前を見て、将来のビジョンを描いている


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