私の夫は王になれない俺様
「ノックもせずに、勝手に部屋に入ってくるなんて…
無礼な態度に、呆れて言葉も出ませんよ」

ジョン・カミンがため息をついた

「言葉が出ないわりには、ぺらぺらと口が動くじゃねえか」

俺がジョン・カミンの目を見て、笑った

「小耳に挟んだのだが…物騒な計画を立てているらしいな
その考え、改め直したほうがいい
今、失えば…この国は終わるだろう」

俺の話しに、ジョン・カミンが鼻で笑った

「自分がトップなれなかったからって僻まないでくださいよ
僕は、国民の声に耳を貸して、こうして相談をしているだけですから」

「白々しい嘘を言うな
イングランドに支配されたいのか? それとも殺されたいか?
この計画に、成功はない
俺はそれを伝えに来ただけだ」

「成功しますよ、必ず」

「ああ、殺しだけが目的ながら、成功するだろうな
しかしその先の王座はない
エドワード1世に奪われ、暗殺集団は反乱軍とみなされて皆殺しだろうな」

「貴方が告げ口をしなければ…でしょ?」

「俺が? 祖国を裏切るような真似はしねえよ」

俺は喉を鳴らした

ジョン・カミンが立ち上がって、俺を睨んだ

俺は部屋の奥の壁に寄りかかると、カミンを見る

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