私の夫は王になれない俺様
読まなければ良かった

後悔の念が、私の胸を支配する

ロバート様が大変なときなのに、恋人からの手紙で悩んでいるなんて……

ロバート様に申し訳ない気がする

命の危険があるかもしれない場所に、ロバート様はいるのよ

恋人からの駆け落ちの誘いなんて、きっと小さい問題だわ

なのに

どうしてこんなにも私の胸を、大きく揺らすの?

答えが決まっているはずなのに…何度もジェイミーからの手紙を触ってしまう

どんな想いで、ジェイミーがペンを握ったのか

想像するだけで、苦しいよ

切ないよ

涙が出そうになる

「ロバート様が、ご到着になりました」

メイドの一人が、私に声をかけてきた

私はジェイミーからの手紙を手に取ると、封筒の中にしまった

持ってきた荷物の箱の中に放り投げると、私はソファの横に立った

数分もせずに、ロバート様が室内に入ってきた

私を、笑顔で見てくれる

ご無事で…良かった

「おかえりなさいませ」

私は、すっと頭をさげた

「ああ、母のところに行ってくる」

「はい」

私は返事をすると、ロバート様が頷いて部屋をまた出ていった
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