私の夫は王になれない俺様
「情けないな、本当に…
母との関わりは少なくて、大した感情なんてないんだ
ブルース家を背負って立つ人間としての教育ばかりで、母と触れ合う時間などなかったし
母も、触れ合おうとはしてこなかったから
弟や妹たちは、母とよく会っていたから…あいつらの悲しむ顔を見ていたら…」

ロバート様は言葉を区切った

びしっと唇を閉じて、すーっと鼻息をゆっくりと出した

「悪い…もう大丈夫だ」

ロバート様は起き上がると、己の手で両頬を勢いよく叩いた

苦しそうな顔をしていたロバート様の表情は、消えた

いつもの笑顔に戻り、私の頭を愛おしそうに撫でた

一人で…解決を?

私は必要ないのでしょうか?

私の視線が下にいった

青い絨毯をじっと見つめて、苦しくなる胸をそっと押さえた

「あの…」

「ん?」

ロバート様が、優しい声でこたえてくれる

「ロバート様がご無事で…良かったです」

「あ、ああ、まあな」

ロバート様が、苦笑した

え?

何かあったの?

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