三日月の雫
相手が柚羽だったら……。
僕は自分が選んだ指輪を柚羽に贈っただろう。
そして、自分もまた、柚羽と同じデザインの指輪をこの指にはめるだろう。
クリスマスの夜に、プレゼントを配るサンタクロース。
もしも本当にいるのなら、僕はプレゼントなんていらない。
その代わりに……。
全てが解決して、柚羽と一緒にいたいという僕の願いを叶えてほしい。
「これは?」
「うーん……。あたしはこっちがいいと思うなぁ」
隣を見ると、一組のカップルが寄り添って指輪を見ていた。
あっちがいい、こっちは?と楽しそうに笑いながら話している。
カップルの後ろにある大きな鏡に映る僕の顔。
……表情ひとつなかった。
今、僕の隣に柚羽がいたら。
きっと僕の顔は綻んでいただろう。
僕は自分が選んだ指輪を柚羽に贈っただろう。
そして、自分もまた、柚羽と同じデザインの指輪をこの指にはめるだろう。
クリスマスの夜に、プレゼントを配るサンタクロース。
もしも本当にいるのなら、僕はプレゼントなんていらない。
その代わりに……。
全てが解決して、柚羽と一緒にいたいという僕の願いを叶えてほしい。
「これは?」
「うーん……。あたしはこっちがいいと思うなぁ」
隣を見ると、一組のカップルが寄り添って指輪を見ていた。
あっちがいい、こっちは?と楽しそうに笑いながら話している。
カップルの後ろにある大きな鏡に映る僕の顔。
……表情ひとつなかった。
今、僕の隣に柚羽がいたら。
きっと僕の顔は綻んでいただろう。