三日月の雫

クリスマスが過ぎて、年末年始。

仕事が休みだと知ると、かんなは毎日のように朝から僕の家にやって来た。

夕方になると、啓介さんと口論になりつつ、かんなは僕の家を後にする。




そんな毎日の中で、啓介さんがかんなの目を盗んで僕の家にやって来た。


その日は、僕のイトコの遼太郎も家に来ていた。

啓介さんが部屋に入るなり、ベッドの上でだらしなく寝転がっていた遼太郎は飛び起きて姿勢を正す。



「ラクにしろって」



そんな遼太郎を見て、僕も啓介さんも笑った。

啓介さんは床に胡坐をかいて座ると、タバコを取り出し火を点ける。

一息、煙を吐き出すと天井を仰ぎながら話し始めた。



「この際、かんなにはっきり言ってしまおうか」

「……えっ?」

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