三日月の雫

話がよく見えていない遼太郎を前に、啓介さんは言う。



「もしかしたら長くなると思うし、何が起きるか分からない。だから今のうちに、その柚羽って子に会っておけ」

「……はい。ありがとうございます」



かんなの様子を見計らって話そうと言って、啓介さんは帰って行った。

啓介さんが帰るなり、遼太郎は待ってましたと言わんばかりに、僕を質問攻めにした。


僕は柚羽との出会いから、今の状況までを細かく遼太郎に話した。

< 111 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop