三日月の雫
別れてからも、ダラダラとした付き合いを続けていた僕たち。
啓介さんはきっと、別れていることを知らなかったのだろう。
かんなもまた、啓介さんには言わなかったのだろう。
僕は啓介さんの後を継いで、総長になった。
同時に僕は、ちゃんとケジメをつけるべきだと決心した。
僕の不甲斐ない行動で、たった一人、捕まった啓介さん。
もしもあの時、僕がきちんと報告していれば、啓介さんだけが捕まることもなかったはずだ。
かんなとの関係をきっぱりと絶とう。
そして、かんなと一番近い仲間の一人として、かんなを支えようと。
だけど、そんな僕の考えは浅はかすぎたんだ。
『イヤよ!永ちゃんと会えないなんて、あたしには耐えられない!』
『今までどおりそばにいるから。でも、これまでみたいな関係は終わりにしようって言ってるんだよ』