三日月の雫
僕は週に一度だけ、柚羽ともかんなとも会わない夜をつくった。
1人になりたくて国道へと向かい、ただぼんやりと座っているだけだった。
「あれー、永輝さん!」
営業時間の終わったデパート前。
タバコを吸いながらぼんやりと佇む僕の目の前にバイクの集団が止まる。
先頭を走っていた男がメットを脱ぐ。
「……ユウヤ」
僕の後を継いで頭になったユウヤだった。
「どうしたんっすか?」
ガードレールをひらりと飛び越えて、ユウヤが僕の元に駆け寄ってくる。
「いや、暇だったから」